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「不思議な世界」 |
『騙し絵』で有名なマウリッツ・コルネリス・エッシャーが大好きだ。
代表作は、「描く手」「滝」「物見の塔」「昼と夜」。
一度は目にしたことがあるかもしれない。
「滝」や「物見の塔」など建築上ありえない構造なのに、何度見ても混乱し、騙されてしまう。
私が、初めてエッシャーと出会ったのは、中学校の美術の時間。
「描く手」「メビウスの輪U(赤蟻)」を見て衝撃を受けた。
彼の絵を眺めていると繰り返しの連続で、脳が勘違いを起こしてまんまと術にはまり、不思議な世界へ引き込まれていく。それが好きで授業の隙をみては眺めていた。
「版画の回廊」という作品がある。
左下から時計回りに見ていくと、絵画が飾ってある回廊をみている男性がいて、その絵画がいつの間にか回廊の外に出て港町になり、その港町が回廊になじんでいく版画。
ただ、中心だけが描かれていない状態で、完成している。
エッシャー自身が、中心の答えは出ているといっている。
だがなぜ中心だけが描かれていないのか。
残念ながら版画では細かすぎて描けないためだとか。
エッシャーの研究をしているチームが、その「版画の回廊」の中心を描こうと立ち上がった。パソコンを使って再現をしたそうだ。
そこから見えてきたのは、延々と続く、「版画の回廊」の繰り返し。
どんなに小さくしても大きくしても出口の見えない作品になるそうだ。
その定義をエッシャーはパソコンなど使わずに頭の中で考え、答えを出してしまっているからすごい人だと思う。
私はそんな不思議な世界の繰り返しに、はまってしまう。
みなさんも機会があったらエッシャーの世界へっ!
不思議の世界への扉が開くかもしれませんよ。
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